Vol.158

推薦!優れモノ



毎回お薦めする、価値ある1アイテム。持つことが、大人の男のアイデンティティであり、時間をかけて使いこなすことで自分自身にも磨きがかかる。そんな優れモノを厳選。大量消費時代だからこそ、ストーリーや、革新的なスピリットを備えた逸品を選びたい。大人の男が知っておくべき、持つべき定番ブランドの、卓越したアイテムと、じっくり付き合おう。



ブレゲのタイプXXI

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「タイプXXI(トウェンティワン)」3810TI ¥1,323,000
自動巻き、パワーリザーブ45時間、ケース径42mm、3Hz(21,600振動)、チタンケース、10気圧防水。

いつかはブレゲ。数ある時計の中でも、ブレゲはある種人生のマイルストーンに喩えられるほど、独自の存在感を備えている。いまやデジタルツールが常に身近にある時代、時計などなくても生きていけるが、この種のモノだけは別格。伝統あるブランドの機械式時計には、手に入れたいと思わせる何かがある。時間を計るだけじゃない、特別な何か?

今年のバーゼルで発表され、話題となった時計「タイプXXI(トウェンティワン)」シリーズのチタンモデルもまた、そんな特別な期待感を抱かせる時計だ。もともと1950年代にフランス海軍航空部隊(アエロナバル・フランセーズ)のために設計された「タイプXX(トウェンティ)」を彷彿させるデザインとなっている。空の上で一刻一秒を争うパイロットたちのための、タフな機能とデザインが、この時計にも受け継がれている。マットブラックに夜光塗料のインデックスが施されたダイヤルは視認性に優れ、過酷な状況下でも精度を損なわない自動巻きムーブメントを搭載。ギザギザのコインエッジが施された15.3mm厚のケースやベゼル、シンプルなプッシュボタンは手元が滑ることなく、操作性にも優れるデザイン。そして新しく採用されたチタンケースは、頑強さと軽さを備えている。ブレゲのアグレッシブな感性を体感できるモデルだ。



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今年6月には、「タイプXXII(トウェンティトゥ)」の発売を記念して、銀座にあるスウォッチグループビル14F”シテ・ドゥ・タン ギンザ“にてアーカイブコレクションも展示された。歴史的モデルがずらりと並ぶなか、なかでも1950年代からのアーカイブの数々は、当時の時代の空気を伝える躍動感にあふれていて、ブレゲファンを魅了した。

一方、ブレゲファンならぜひ手にしたいと思わせる王道、「クラシック」コレクションの新作ウォッチも今年発表された。「クラシック 7787ムーンフェイズ」は、炉焼きのホワイトエナメルダイヤルが溜息の出るような繊細さ。滑らかな艶を放つエナメルダイヤルは、ブレゲならではの熟練職人の技である。ブレゲ針と呼ばれるブルースチール針が、これに美しく調和する。12時位置のムーンフェイズも、まるでアートのごとし。6時位置で曲線を描いているのは、パワーリザーブインジケーター。それぞれが絶妙のバランスで、エンスージアスト好みの時計である。サファイアケースの裏蓋からは、緻密に重なり合ったムーブメントの機械をのぞくことができる。こんな時計を手に機械の鼓動を耳にすれば、遥か歴史を遡って、時計師アブラアン-ルイ・ブレゲの情熱がすぐそこに感じられる。「クラシック」コレクションには、創業者の時計作りの理念が、今も受け継がれている。




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「クラシック 7787ムーンフェイズ」¥3,066,000
自動巻き、パワーリザーブ38時間、ケース径39mm、18Kローズゴールドケース、4Hz(28,800振動)、3気圧防水。
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「アエロナバル4100 」1960年代の第一世代モデル。






Brand Story



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創業直後のブレゲ工房。パリ、シテ島39番地。
ブレゲの創業は、1775年。パリ・シテ島にブレゲ工房が開かれた。のちに天才時計師と呼ばれる、アブラアン-ルイ・ブレゲは、これまで時計史に残る数々の発明を成し遂げてきた。自動巻き機構の開発「ペルペチュエル」時計や、ゴングを採用したリピーター時計、そして重力による時計機械の姿勢差を解消するというニュートン的発想の「トゥールビヨン」もブレゲの発明である。歴史上のさまざまな人物のための時計も手がけ、ルイ16世やマリー・アントワネット、ナポレオン・ボナパルトも顧客だった。1810年には初の腕時計を考案し、時計の進化を2世紀早めたとも言われる。ブレゲの死後、ブランドの歴史は波にもまれ一時途絶えるが、1999年よりスウォッチグループの傘下となり現在にいたる。スイスのジュウ渓谷では、今も職人たちによるマニュファクチュール技術が受け継がれている。


お問い合わせ:ブレゲ ブティック銀座 tel.03-6254-7211
http://www.breguet.com/jp/



取材/東ミチヨ