Vol.158

編集部Pickup!

OPEN YOKOHAMA 2011 見どころ、注目イベント教えます。


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1859年の開港以来、西洋文化を独自に吸収、国内に発信してきた歴史と文化の香り高い街、横浜。その横浜の街から次世代のライフスタイルを街歩きを通じて発信するキャンペーン「OPEN YOKOHAMA 2011」が、8月6日から3ヵ月にわたって開催される。

もともと文化的背景や食文化が豊かで、近年アートの舞台として知られる横浜という街を、身近な視点から楽しみつくす本キャンペーン。今年は同じくこの街を舞台に3年に一度開催される、現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2011」の開催年ということもあり、より一層の盛り上がりが予想される。

対象エリアは、開港以来、横浜の中心であった関内・関外地区から、地下鉄「みなとみらい線」が開通し、近年にぎわいをみせる、みなとみらい地区、元町・中華街駅エリアを含む山手エリア、古くからの歓楽街として知られる日ノ出町、黄金町までと、横浜として誰もがイメージする、このエリア全域に広範にわたっているのが特徴だ。今年は先の東日本大震災をうけ、環境への配慮、被災地支援もコンセプトに取り入れた。港のみえる美しい風景、歴史ある建造物、そして豊かな食文化を背景にはぐくまれたこの街の魅力を発見したい。

「OPEN YOKOHAMA」のタイトル通り、普段はみることのできない建築や街の裏側を限定オープンする企画や、港湾施設、公共の建築物やモニュメントに開港以来の歴史が刻まれた、横浜ならではの街歩きツアーも企画されている。その中から3つのキーワードを独自にピックアップ、おススメの歩き方を提案したい。




Keyword 1

「建築で街の歴史をたのしむ」

今回特別に一般公開される、普段はみることのできない歴史的建造物の内部見学は、建築マニアならずとも注目しておきたい。1996年に国の有形文化財に登録された、いまも現役で使用されている、横浜を代表する歴史的建造物の代表といえば神奈川県庁本庁舎。昭和初期に日本で流行した建築様式「帝冠様式」で、関東大震災後間もない1928年に建設された本庁舎は、鉄筋コンクリートに和風の瓦屋根を載せた和洋折衷の建築として知られる名建築。通常は屋上のみ一般公開されているが、オープンヨコハマ会期中は特別に、普段は立ち入ることのできない「県知事室」や「大会議室」「第三応接室」といった内部が限定公開される。(以上3ヵ所の公開日時は、8/21(日)、9/18(日)、10/16(日)の3日間、10:00〜16:00)。


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神奈川県庁本庁舎

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神奈川県立歴史博物館
1904年に竣工した「横浜正金銀行本店本館」が、神奈川県立歴史博物館(下写真)として生まれかわったのは1967年のこと。正面玄関上にドーム屋根をいただいたネオ・バロック様式の本格的な西洋近代建築として、1969年に国の重要文化財に指定された。今回は建物特別公開として、普段は見ることのできない部分も含め公開される(建物特別公開日時は、8/28(日)と10/16(日)の二日間、時間は10:30〜12:00、14:00〜15:30。HPまたは往復ハガキにて、要事前申込。tel.045-201-0926 http://ch.kanagawa-museum.jp/)。

それらの名建築をめぐる散策ツアー、「横浜建築アニバーサリー」は、いまも横浜の街中に現存する煉瓦造の建築などの、歴史的建造物を街歩きとともに楽しむツアー。横浜のシンボルタワー「マリンタワー」から、「ホテルニューグランド新館」「横浜市開港記念会館」「横浜税関」「横浜赤レンガ倉庫」などの名建築を、歴史を学びながら散策する(10/1(土)、11/6(日)の午前。料金500円。HPから要事前申込。http://www.ycga.com/ )。


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その他にも、夜の工場を交通船にのって海からのぞむツアー「交通船で行く工場夜景探検ツアー」(上写真)や、横浜港の港湾施設や船舶を紹介する産業編、ペリー来航を中心とした横浜港の歴史を紹介する歴史編の2コースを船でめぐる「横浜再発見!今と昔探検クルーズ」などの、港町横浜ならではの、船舶を利用したツアーも行なわれる。




Keyword 2

「アートをたのしむ」

KAAT神奈川芸術劇場で行なわれる『杉本文楽 曾根崎心中』は、現代美術作家の杉本博司氏が、構成・演出・舞台美術・映像を手がける文楽公演。伝統的な人形芝居、人形浄瑠璃の演目のなかから、歌舞伎の演目としてもよく知られる、近松門左衛門の代表作「曾根崎心中付り観音廻り」をセレクト。


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杉本文楽(提供:小田原文化財団/『杉本文楽 曾根崎心中』)

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「黄金町バザール2010」安部泰輔(Photo:Yasuyuki Kasagi)
近松が発祥といわれる江戸時代からみた「現代物」である世話物を題材にした本公演。伝統芸能に造詣が深く、現代美術家として世界的に評価の高い杉本博司氏が、古典ともいえる近松のこの名作をどう再考し演出するのか、楽しみな公演である(8/14(日)〜8/16(火)13:00と17:00)。

アートによるまちづくり『黄金町バザール2011』には、「まちをつくるこえ」をテーマに、国内外のアーティスト約20組が参加。京急日ノ出町駅から黄金町を結ぶ高架下スタジオと周辺のスタジオ、店舗や空き地を舞台にアーティストが期間中、実際にこの街に滞在しながら作品を制作する、臨場感溢れるアートイベントだ。

湾岸エリアを中心とした横浜のハイカラなイメージとは違い、街の中心を運河が流れる下町風情の残るこのエリア。アートをキーワードにこの街に暮らす人びとの息づかいを感じながら、街と一体となって行なわれるスペクタクル感たっぷりな体験型のアートイベントが期間中行なわれる。(8/6(土)〜11/6(日))

9月14日から16日の3日間、KAAT神奈川芸術劇場中小スタジオにて、建築・パフォーマンス・ファッション・アートを横断的にクリエーションする集団、ドリフターズ・インターナショナルによる「ドリフターズ・サマースクール2011公演」が行なわれる。公演に照準をあわせて行なわれるワークショップの成果を発表する本公演には、「学ぶより、実際につくること」に主眼をおいたドリフターズ・インターナショナルによる、実践的な活動の成果が発表されるという(9/14(水)・15(木)19:30、 16(金)14:00)。


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ドリフターズ・サマースクール2010「アンバランス色素ルーシー」(会場:ヨコハマ創造都市センター)
オープンヨコハマと期間を同じくしておこなわれる「ヨコハマトリエンナーレ2011」は、2001年に始まり、4回目を迎える日本を代表する現代アートの国際展。内外から約70名/組のアーティストが参加し、文字通り国際派のアートイベントとして毎回注目を集める。今回のテーマは「OUR MAGIC HOURー世界はどこまで知ることができるか?ー」。総合ディレクターに横浜美術館館長の逢坂恵理子氏、アーティスティックディレクターに三木あき子氏をむかえ、横浜美術館と日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)をメイン会場に行なわれる。




Keyword 3

「人」でめぐる横浜

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「パリ・コミュンーンとメディア II〜同時代人のまなざし、大佛次郎のまなざし〜」より
作者不詳 さかさ絵《戦地に赴くバダンゲ、帰還するバダンゲ》 大佛次郎記念館蔵
「鞍馬天狗」シリーズ等の小説や「パリ燃ゆ」等のノンフィクションなどの幅広いジャンルにわたる著述でしられる文豪・大佛次郎の山手町にある記念館では、横浜ゆかりの作家である大佛次郎が愛したコレクション展「愛蔵品展 大佛次郎 趣味の世界」が開催。作家と交流のあった画家・佐多芳郎の絵画や、写真家・安藤不二夫の作品などを展示。(9/23(金・祝)〜9/25(日)10:00〜17:30)。代表作「パリ燃ゆ」の関連収蔵資料約40点を展示したテーマ展「パリ・コミュンーンとメディアU〜同時代人のまなざし、大佛次郎のまなざし〜」も開催中(11/13(日)まで)。

横浜出身の女優、五大路子氏のひとり芝居「横浜ローザ2011」は注目の舞台だ。歌舞伎役者のようにおしろいを塗り、フリルのついたドレスを着て横浜の街にたたずむメリーさんの姿を名優がひとり舞台で再現。数々の映画や舞台、歌謡にも唄われ、激動の戦後、昭和の時代を一人生き抜いた女性の一生から、この街の歴史をたどりたい(8/13(土)〜8/17(水)横浜赤レンガ倉庫1号館)

横浜の有名老舗店を巡りながら店主のこだわりを聞く「”うんちくツアー”有名老舗店主に聞く」は、地元ならではのバラエティ豊かな4つのコースが用意される。 「フランス色漂う元町を巡る」は、元町CS通りのお店をめぐりながら店主のこだわりを聞くツアー(8/10(水)、9/7(水)16:30〜18:30)。「極彩色のチャイナタウンを巡る」は、観光客にも人気の高いスポット中華街の老舗を訪ねるツアー(8/17(水)、9/14(水)16:30〜18:30)。「粋な街伊勢佐木町〜吉田町〜野毛を巡る」 は下町風情ただよう3つのエリアをめぐる、人情味あふれるツアーになるだろう(8/24(水)、9/28(水)16:30〜18:30)。「港の奥座敷馬車道を巡る」は、歴史的な建造物が建ち並び、ガス灯が情緒を感じさせる馬車道商店街の老舗店をめぐるツアー(8/31(水)、9/21(水)16:30-18:30)。(いずれのコースも、料金500円。要事前予約。ツアーの詳細・申込は http://www.ycga.com/


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横浜ローザ(Photo:森日出夫)
その他関連プログラムに、湾に面した「創造空間万国橋SOKO」に入居するクリエーターによるオープンスタジオやワークショップなどの「横濱万国橋覧会2011」(9/9(金)、10(土))、YOKOHAMA ゴスペルフェスティバル(8/27(土))、伊勢佐木町エリアでビッグバンドによる演奏を楽しむことができる「ビッグバンドジャズアベニュー」(10/2(日)12:00〜16:30)、県立神奈川近代文学館では絵本作家、「安野光雅展ーアンデルセンと旅して」(8/6(土)〜9/25(日))などが開催される。





OPEN YOKOHAMA 2011-イベント・アート・食・歴史・文化を結ぶヨコハマまち歩き-
    会期:2011年8月6日(土)〜11月6日(日)
  • 対象エリア:関内・関外地区を中心とした横浜駅〜みなとみらい駅〜元町・中華街駅周辺〜山手地区、日ノ出町駅・黄金町駅周辺
  • インフォメーション・デスク設置場所:エリア内観光案内所(横浜駅・桜木町駅・山下町)、主要駅(みなとみらい駅、馬車道駅、元町・中華街駅)など
    (8・9月は毎週木曜、10月13・27日は休み)
  • またヨコハマのイベント情報が網羅された無料配布のガイドマップが期間中配布されます。
http://www.invitation-yokohama.jp
Twitter公式アカウント: invite_YKHM


取材/加藤孝司