
−カラフルな色使いと、独特なフォルムが特徴のダイソンのクリーナー。遠心力でゴミを分離するサイクロン技術を開発し、サイクロンクリーナーを世に広めたダイソンは、世界をリードするクリーナーブランドとなりました。そして今回、満を持して発表したのは、日本に向けて開発した、小型クリーナー「DC26」ですね。
ジェームズ・ダイソン
私は、遠心力でゴミを分離する「デュアルサイクロンテクノロジー」を開発し、サイクロン方式のクリーナーを世界に発信してきました。今では、日本の家電メーカーもこの方式を採用していますね。今や、サイクロンは、クリーナーのスタンダードなスタイルとなりました。そのなかで、私たちは5年の年月を費やし、日本のために開発した新商品「DC26」を発表しました。本体はA4サイズの紙に載るほど、小さくなりましたよ。
−「DC26」は日本の住宅事情を考え、小型にしたのですか?
ジェームズ・ダイソン
日本の住宅は狭いといわれていますが、世界の大都市も住まいが小さくなっています。N.Y.は5年前に比べ、部屋のサイズが半分になっているという話もあるほどです。もしかしたら、日本よりN.Y.の家の方が小さくなる可能性もありますね(笑)。
「DC26」は日本向けに開発をしましたが、そういった意味では、世界に通用する製品だと思います。また、クリーナーが小型になれば、プラスチックなどの部材が減りますから、環境にも配慮できます。

−日本の住環境を調べたのですか?
ジェームズ・ダイソン
はい。日本の住宅事情や部屋の作り、掃除方法などに関する調査をし、分析をしました。日本は、畳やフローリングなどさまざまな素材の床が混在している環境ですので、1台のクリーナーでいかに効率よく掃除ができるか、その点も深く分析していきましたよ。
−小型化にすることで、苦労した点はありますか?
ジェームズ・ダイソン
クリーナーで一番重要なのは、ゴミを効率よく吸い取り、吸引力を落とさないということ。小型にするのは容易ですが、性能が落ちてはいけません。小型化と性能のアップ、このふたつを両立させるのは難しいことでした。本体を小型にしても、ゴミを分離する空気の流れをスムーズにしなければ、効率は下がります。さらに、排気もきれいでなければ、掃除をしても部屋の空気が汚れてしまう。このように、さまざまな課題がありましたが、エンジニアとともに5年の歳月をかけて、開発を重ねてきました。その結果、小型で従来よりも性能をアップさせた「DC26」が誕生しました。しかもHEPAフィルターを搭載していて、アレルギーの要因となるカビなども抑制できるので、排気もキレイです。
−具体的にはどのような開発をされたのですか?
ジェームズ・ダイソン
革命的な技術開発を投入したというよりは、小さな開発を積み重ねた結果です。今までとは違う新たな素材や技術を使ったか? と聞かれれば、「ん〜、多分ね」としか答えられませんけれど…(笑)
−そこは秘密なんですね。今回、ヘッドもかなり改良されましたね?
ジェームズ・ダイソン
まず、クリーナーに必要なのは、変わらない吸引力を保つことです。それを十分に発揮するには、細かなゴミもきちんと吸い取る高い集塵性能と、効率よく分解ができる、ダイソンのサイクロン技術が必要です。そして、ヘッドに改良を加えることで、クリーナーの集塵性能はさらにアップします。サイクロン技術とヘッド、この2つがベストの状況ではじめてクリーナーは優れた集塵性能を発揮するのです。
クリーナーのヘッドは、ヘッドの底面と床の隙間で、空気の出入りを調節しています。隙間が大きくなると、空気の流れが弱くなり吸引力が下がります。「DC26」のヘッドは、固い床・溝のある床・カーペット・畳など、どんな床でもゴミを効率よく集塵できるよう、ヘッドの底面と床の隙間を最適な状態にするような構造にしました。IEC(国際電気標準会議)規格に沿った、第三者機関による製品性能テストも行ない、どの床でも他社製品に比べ、集塵力が落ちないという結果も出ています。
また、ヘッドの付け根には、「V−Ball
テクノロジー」(写真左)という技術を採用しました。半円型の構造にすることで、ヘッドを自在に動かすことができます。テーブルの下など、手の届かないところも、掃除がしやすくなりました。「DC26」は、小型・性能・操作性。このすべてが向上したマシンです。