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| 年末になると売れるといわれる国語辞典。最近では電子辞書やWebの辞書が普及し、「引きたい言葉」をダイレクト検索、という使い道ばかりで、のんびり辞書をめくる、という愉しさからは遠のいている人も多いだろう。
しかし、日本語ブームのいまこそ、ゆっくり「辞書」と戯れてみるのも悪くない。今回は、エキサイトに導入もされている大型国語辞典、『大辞林』から、辞書の意外な特徴、愉しさを探ってみた。 |
大型国語辞典の代名詞といえば、なんといっても1955年発行の『広辞苑』(岩波書店)。これを越えるものを作ろう、と生まれたのが三省堂の『大辞林』である。企画したのが59年、初版発行が88年。実に28年もの歳月をかけて作られた三省堂渾身の国語辞典なのだ。
読み比べることの少ないこの二冊、そもそも主だった違いは何なのだろうか?
「いろいろありますが、『広辞苑』は歴史主義、『大辞林』は現代主義を取っているのがまず大きな違いです」
とは、『大辞林』編集長の本間研一郎さん。
たとえば、「挨拶」という言葉を引いてみると、この二つの辞典の違いがよくわかる。『広辞苑』(第3版)では、「〔仏〕禅家で、師僧が門下の僧と問答して、その悟道・知見の深浅を試みること」が最初にくるのに対し、『大辞林』(第2版)では、「人と人とが出会ったときや、別れるときに交わす儀礼的な動作や言葉」がまず説明される。
つまり、『広辞苑』は言葉の説明の順番が語源的・時間的な遷移になっているのに対し、『大辞林』は現代人が使っている意味から並べられているのだ。用例に関しても、『広辞苑』は古文がほとんどなのに対し、『大辞林』は漱石や鴎外、龍之介など明治・大正期の作家の小説が多い。翻訳家や作家など、実際にモノを書く人にファンが多いのは、現代人にとって実践的な内容ゆえだろう。
「歴史」と「現代」という2つの辞典の特徴は、掲載される人名にも差を生み出している。徹底して「現代」にこだわる大辞林では、これまで不当に貶められていたジャズやブルース、ゴスペルの人名などにも光を当てる。
「人名は1万1000人くらい掲載していますが、サブカルチャーも含めて文化に貢献した人を多く載せているのが特徴です」と、本間さん。
たとえば、『広辞苑』にはビートルズは載っているが、『大辞林』はそれにローリング・ストーンズを加えるのを忘れない。その他にもロック・ミュージシャンは多数採用されている。他のジャンルも含め、大辞林は簡易人名辞典としても十分機能するほどに活用度大だ。
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| 日本語ブームの今だからこそ、国語辞典を極めよう |
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