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小さな本屋さんに行こう! in 大阪

大阪の本屋さんについて思うこと 取材を終えて

「大阪には、本屋がない」
これは、かれこれ10年前、大阪の書店で働いていたときに、書店員仲間たちともらしていた言葉。もちろん紀伊国屋書店をはじめとした大型書店や、町の一般書店や古書店はちゃんとある。ここでいう本屋とは、そこにいけばなにかが見つかる、あるいは共感できる――そんなふうに気持ちが動かされる場所のことだ。
それから10年。梅田ロフトにあったリブロ、そのとなりの洋芸術書専門店カンカンポア、メディアショップ心斎橋店、ロゴス心斎橋店、ブックセラーアムズと、ざっくり思い出しても、これだけの本屋が消えていった。とにかく大阪では、アートやカルチャー、洋書を得意とする店が根付かないのだ。
「こりゃダメだ」とあきらめかけたその頃に、ポツポツと芽を出してきたのが、若い店主が個人経営する小さな書店たちである。そしてその動きは、雑誌で特集を組まれるなどして、ちょっとしたムーヴメントとなっていく。
ここ数年にオープンした大阪の本屋に共通するであろう、「ないから作った」というこの発想。それは、ビジネスとしてはなんともいえないけれど、この街の文化にとっては、とても自然な、健全な流れだったような気がする。と、そんな話をコロンボの綿瀬にしてみたところ、「いや、まだ全然ダメです」とのこと。本来なら、洋書店でも多ジャンルを広く扱う大型店があってこそ小さな店がいきるはず、と綿瀬さん。「でも大阪には大型店が成り立つ土壌がない。残念ながら」。
大阪の本屋の明るい未来は、まだもう少し先のようだ。

●大阪の本屋さんの本
■『エルマガジン ずっと通いたい本屋のかたち。』
(2004年11月号、京阪神エルマガジン社)
小さな書店だけでなく大型書店の1日をおいかけたり、のけぞるような充実の内容。
『大阪力事典』/創元社 「新しい感性の出会いの場」の項で、個性的なスタイルの本屋4店を紹介。
『本屋さんになる』/メタローグ 大阪にできた美術系専門書店「カロ」の、開店までの半年間を追った店主日記を収録。

(構成・文 矢部智子/アンテナ 協力 野崎泉/bibliomania

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