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メッタ斬り!版 芥川賞、直木賞選考会

after ROUND 受賞作発表を聞いて

さて1月13日の夜、東京・築地の「新喜楽」で選考会が開かれ、第132回芥川賞直木賞が決まった。 発表を受けて、メッタ斬りコンビから緊急コメントをいただきましたのでご紹介します。

第132回芥川賞 阿部和重「グランド・フィナーレ」
【阿部】当落予想)大森○ 豊崎◎ 作品評価)大森B 豊崎A <作品評価対談はこちら

第132回直木賞 角田光代『対岸の彼女』
【熊谷】当落予想)大森◎ 豊崎◎ 作品評価)大森A 豊崎A-  <作品評価対談はこちら

▼メッタ斬り!からのコメント
大森望
大森望
芥川賞はやっぱり阿部和重かあ。素直に本命に乗っかるべきだったなあ。高配当を狙いにいって敗北。今回は余計なことを考えすぎました。反省。

大手メディアはストーリー紹介をどうするんだろうと興味津々だったんですが、NHKニュース7の畠山智之アナいわく、「特殊な性的趣味を妻に知られて離婚され、失意のうちに田舎に戻った男性が、ひょんなことから頼まれた女子児童への演技指導を通じて、現実とのつながりをとりもどしていく様子を描いた作品です」だって。

まさかそういう小説として授賞したわけじゃないと思いますが、せいいっぱい角が立たない要約――なのか?

この作品が単独で高く評価されたのか、『シンセミア』その他の赫奕たる業績と合わせ一本だったのかは選評を見ないとわかりませんが、遅すぎた授賞でも授賞しないよりはマシってことで、新潮新人賞選考委員・阿部和重の芥川賞獲得をそこはかとなく喜びたいと思います。

直木賞のほうもガチガチの大本命が来ちゃったので配当は低め。馬券買ってたら、芥川賞のマイナスと合わせてギリギリ赤字を免れたくらいでしょうか。《文藝》春季号の角田光代特集は鋭かった。

『対岸の彼女』について、対談ではいろいろ文句言ってますが、評価はAの最高点をつけてるとおりで、作品的にも作家的にも順当すぎるほど順当。めでたしめでたしの結果でした。伊坂、本多、古処の若手トリオはまだまだこれから何度でも候補になるだろうし、福井晴敏もたまに短いものを書くようにすればチャンスはあるはず。

しかしどうして選考にあんなに時間がかかったのか。これから選考経過を取材するのが楽しみです。
豊崎由美
豊崎由美
よっしゃー! 思わずテレビの前でガッツポーズをしてしまったわたくしでございました。偉いよ、阿部さんを推した選考委員はっ。ただ――。大森さんが再現してくれてますけど、第一報を報じたNHKの7時のニュースの作品紹介って誤読じゃん! で、もしも、そういう誤読(児童性愛者が立ち直る物語)によって受賞できたんだとすると……。う〜ん。早く選評が読みたい。選考委員の皆さんがNHK的誤読をなさっておられないことを祈るばかりでございます。だって、誤読で受賞したって、ねえ。どうなのよ、阿部和重的には。……ま、いっか、受賞できればいっか、いいね、いいよ、いい、許す。(と思ったら、NHKは9時前のニュースで「特殊な性的趣味」を「ロリコン」に直してました。今後、この調子で誤読が正されていくことを朕は希望しているぞよ)で、発表が遅れた直木賞の結果にも、よっしゃー! だったんでございます。へへへ、オデったら芥川賞・直木賞両方的中じゃん! 競馬の予想はからっきし当たらなくて、今年しょっぱなの金杯でも本命が4着に来てJRAに多額のお年玉を心ならずもあげてしまったというのに。へへ、へへへ。誰かオデに配当金をおくれよお、よおよおよお。というのは半ば本気の戯れ言ですが、結果に関しましては珍しくも双方ともに文句なし。大変美しい芥川賞・直木賞の形になったんではござりますまいか。選考委員諸君においては、これに満足することなく今後もより一層まともな選考内容を目指して精進することを朕は希望しているぞよ。

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