TOPICS ニュースな本棚 バックナンバー

政界は漫画だ

検証2 政治漫画を読んでみる――初心者編

『加治隆介の議』を読む

『加治隆介の議』(弘兼憲史/講談社漫画文庫 全10巻)
東大法学部卒のエリートサラリーマンで、大物国会議員の次男、加治隆介。しかし父と兄が事故死したことから、父の後を継いで議員になるハメに。あくまでも理想を追求しようとする加治隆介は現実のギャップに苦しみながらも、理想の政治を追い求めていく…といった内容。正直「課長島の政治版だろ?」と思っていたが、意外とハマって読んでしまった作品。あまりにご都合主義じゃねーのと思ってしまった瞬間もあったが、確かに政治をポジティブに描いている作品というとこれぐらいなのかもしれない。いち早く北朝鮮ネタを取り上げてたりする。 タイトルの「議」は鹿児島弁で「リクツ」のことである。政治家の間では非常に読まれている漫画で、弘兼憲史さんの漫画「加治隆介の議」テレビドラマ化を実現する議員の会なんてのもある。登場人物および政策のモデルは小沢一郎らしい

『票田のトラクター』(画・前川つかさ 作・ケニー鍋島/小学館ビッグコミックス 全4巻)
『票田のトラクター』を読む

印刷屋の次男、筒井五輪は持ち前の馬力をかわれ、新進気鋭の政治家稲山一郎(あからさまに小沢一郎)の秘書となり、利権と巨額の金が動く政治の世界で、五輪は秘書稼業に邁進していく…。続編『新・票田のトラクター』(全13巻)『票田のトラクター五輪見参』(6巻〜)もアリ。とにかく「政治とカネ」について勉強できる作品。「1億円を誰にも怪しまれずに持ち運ぶ方法」なんて参考になりそうでまったくならないテクも学べる。「レッツ・ゴー!永田町」というタイトルでテレビドラマ化されたが、石橋貴明主演であまりウケなかった。室井滋演じる田坂真以子大臣が劇似だったのは覚えている。

『サンクチュアリ』(画・池上遼一 作・史村翔/小学館ビッグコミックス 全6巻)
『サンクチュアリ』を読む

表社会での頂点を目指し、国会議員秘書から政治家を目指す浅見千秋、裏社会での頂点をめざし、六本木暴力団組長から関東相楽連合トップを目指す北条彰、この2人の漢が理想郷「サンクチュアリ」を作り上げようとする物語である。とにかく漢成分濃厚な漢漫画なのだが、『魁!クロマティ高校』が流行してしまったせいで、ギャグ漫画に見えてしまうのが難点か。

『大宰相』(さいとうたかを 原作・戸川猪佐武 解説・早坂茂三/講談社+α文庫 全10巻) 『劇画自民党総裁』(さいとうたかを 原作・戸川猪佐武/リイド社SPコミックス 全5巻)
『大宰相』『劇画自民党総裁』を読む

ベストセラーになった戸川猪佐武『小説吉田学校』『小説永田町の争闘』を劇画化したものを再編集した作品。『大宰相』は講談社+α文庫、『劇画自民党総裁』はリイド社より分厚いコンビニ版として発売されている。吉田茂から中曽根康弘に至るまでの自民党内の権力闘争がエンエンと描かれる傑作。見事にゴルゴ13に殺されそうなツラばかり出てくるのでキャラクターの区別が付きづらいが、オッサン嗜好なあなたにオススメしたい漫画である。ハマコーも竹下登も中曽根康弘も宮沢喜一も全員若い!

『クニミツの政』(画・朝基まさし 作・安童夕馬/講談社少年マガジンコミックス 17巻〜)
『クニミツの政』を読む

第27回講談社漫画賞受賞作品。ヒット作『サイコメトラーEIJI』を手がけた原作&作画コンビによる政治ドキュン漫画。主役は『EIJI』で幼なじみの脇役として登場した「クニミツ」。中学中退だが正義感は人一倍の下町男である武藤クニミツが、政治家秘書として腐った日本を世直しする!という内容。我らが押尾先生主演でドラマ化された。第1話でいきなりヒロインのトイレシーンが見開きで展開されるこの作品、『劇画 小説吉田学校』の後に読んだので、あまりの落差に脳にガツンと来た。まあギャルのモエ度は政治漫画の中では一番か?

『やぶれかぶれ』を読む
『やぶれかぶれ』(本宮ひろ志/集英社ホームコミックス 全3巻)

ある日、「政治をマンガでわかりやすく描けないか?」というアイデアを思いついた本宮ひろ志自身が国会議員になるまでをレポートするというノンフィクション実録漫画。紆余曲折があって、結局出馬はかなわずいつの間にか、本宮ひろ志と担当編集者が各政党の党首にインタビューするシリーズが始まり、なんと田中角栄などにも会いに行ったりする。が、さすがにジャンプ読者は誰もついてこれなかったのか、人気は低迷。単行本3巻分で一応の最終回ということで終了。2巻にはあの若き日の菅直人も登場する。
こんな内容でもちゃんと週刊ジャンプ単行本お決まりの「読者の声」コーナーがあって「この作品を持って政治に興味を持った」といった意見が載っていてちょっと笑った。そういえばいつからこのコーナー無くなっちゃったんだっけ。

他にも政治モノとしては『大いなる完』といった作品もあり。田中角栄大好きである本宮ひろ志が田中角栄をモデルに描いた漫画。宮本武蔵もちょっと入っている。この『大いなる完』は映画化、そしてファミコン化する計画まであったという。

政界は漫画だ 前のページ 3/6 次のページ


バックナンバー エキサイトブックス