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すべてはモテるため!

エピローグ〜タヌキ山にて

そして週末、やってきましたタヌキ山。

ダメ夫 「ルールルルルル、ルールルルルル。タヌキよ、早く来ないかなあ。澄みきった空気、雲ひとつない青空、ここには僕以外だーれもいない。なんていい気持ち…聞こえてくるのは鳥の鳴き声だけ…」

(ガーンガーンガーンガーン!)

ダメ夫 (なんだ?このゴーレムが岩戸を叩いてるような怪音は? ちょっと様子を見に行ってみよう)

ヨソ美 「あ、おひさしぶりです…」
ダメ夫 「誰かと思えばヨソ美さんじゃないか。っていうかそのデカいハンマーなに!?」
ヨソ美 「あ…コレですか、岩を…。ダメ夫さんこそこんなところで何を?」
ダメ夫 「何をって、僕はタヌキを観察しにきたんだ」
ヨソ美 「あ、そういえばタヌキがお好きって」
ダメ夫 「言ったっけ?」
ヨソ美 「いえ、携帯のストラップもタヌキだったし、お店の前にあったタヌキの置物に熱いまなざしを注いでいたので」
ダメ夫 「(バレてたのか)君も、趣味で来てるの? 岩ってさっき…」
ヨソ美 「このあたりはエクロジャイトの産地なんです。ほら、いい岩でしょう。地球サイズのロマンを感じますよね」
ダメ夫 「エ、エク?」
ヨソ美 「あ…ごめんなさい。興味ないですよね…」
ダメ夫 「い、いや、ゴツゴツしてかっこいい岩だよね…(この子も僕と一緒だ。自分の世界と世間とのつなげかたがよくわからないんだ)」


ハマってる自分をタレ流しにしてるとかんじわるい自意識過剰になります。「どう?このクルマ。キミも、かっこいいと思うでしょ。乗ってかない?」ってナンパって、エラソーだしキモチワルイでしょ。
くれぐれも、あなたの“好きなこと”が「特別」なのは「あなた自身にとって」だけなんだってこと忘れないでください。
(中略)
「同じ土俵に乗ってる」ってのは、別に「同じパチンコ好き」ってことじゃないんですよ。他人が「同じ趣味なら、心を許して、すぐ好意を持ってもらえる」とは全然かぎらないんですから。
『すべてはモテるためである』より

ダメ夫 「(わかってるってば!同類だからってエラソーにしたりなんかしないから)。え、えと、この間はゴメンね。なんか、変なこと言ったりして」
ヨソ美 「え、なんのことですか?」
ダメ夫 「いやその、タヌキみたいとか…僕にとっては100%褒め言葉なんだけど」
ヨソ美 「……」
ダメ夫 「お、怒ってる?」
ヨソ美 「褒められるの慣れてなくて…。あ、あの、ダメ夫さんも、玄武岩のようにステキです」
ダメ夫 「玄武岩…」
ヨソ美 「あ、すみません…」
ダメ夫 「いやいやいやうれしいよ! 僕も岩には目がなくってさ。今度君の家で見せてもらえないかな(ってウワー、今の僕、ギラギラしてるなー。ひかれないかなー)」

ではどうしたら、女性と会話するとき目がギラギラしちゃうのを押さえることができるのでしょう?
(中略)
自分のギラギラは、笑っちゃうしかないことだと思います。 モテないあなたは、自分の性欲さえも冗談のネタにしてしまうコンパのりの軽い連中がわりとモテるのを苦々しく思っていたかもしれませんが、あなたもたまには、自分のギラギラを冗談にしてみましょう。
(中略)
自分のギラギラを否定するんじゃなく(否定すると暗くなりますよ)でも「ギラギラしてるオレって、バカだなあー」と思えるようになりましょう。そしたら、べつにギャグのテクニックなんか向上しなくても、あなたのことばで笑ってくれる女性が増えてきます。
『すべてはモテるためである』より

ダメ夫 「って僕、すごく物欲しげだね。ほんとは岩のことなんかちっともわからないんだけど、君と仲良くしたくてついウソをついてしまったんだ。バカだよね」
ヨソ美 「いえ…うれしいです」
ダメ夫 「今度僕がバカなこと言ったら、そのデカいハンマーで殴ってくれてかまわないから」
ヨソ美 「そんな、死んじゃいますよ(笑)」

「何を考えてるかわかりやすい男」というのは、あなたが思ってる以上に、女性には好評なものです。
(中略)
「拒否される」というコミュニケーションでも、コミュニケーションなしで黙ってギラギラしてるより、はるかにマシです。 そして、そういうふうに思っちゃって口にしちゃう自分てバカだなー、という自覚は、くれぐれも忘れないようにね。
『すべてはモテるためである』より

ダメ夫 「(笑った顔、初めて見た。笑うと「トゥナイト2」のレポーターだったせがわきりに似てるなあ。ああ、なんだかこの子にはありのままの自分でいられそうだ)この山へは毎週来るの?」
ヨソ美 「はい…」
ダメ夫 「よかったら、岩のこともっと教えてくれないかな。君の世界に近づきたいんだ」
ヨソ美 「はい…あの」
ダメ夫 「何?」
ヨソ美 「私も、タヌキのこともっと知りたいです」

めでたくバカや臆病が治って、女性を口説くことができるようになったってことは、やっぱりあなたはバカ(今度は、いい意味で)だってことなのでした。
『すべてはモテるためである』より

(構成・文・イラスト パン山もぐ彦/パン工場&demi/Beltorchicca)

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