【北方謙三ベストバウト】
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まじめな奴、正直な奴が損をするのだ。どうしてみんな本気に部活やったり、学校祭やったりしないんだ。何で無気力な奴らばっかりなんだ。そうじぐらいしろよな!
(愛知県 S・Y 17歳)
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独りで泣け。
独りで泣いて、なんでみんなこうなんだ、世の中はこうなんだ、みんなが悪いんだ、としばらく思え。しかしそれは、ほんのしばらくの間にしろ。
他人はどうでもいいじゃないか。他人のことが頭に来て、他人がやらないことが問題なんだということではなく、自分がやれるかやれないかが問題なんだというところに、君は行き着かなくてはいけない。そういう男になれば、「世の中どうなっちまうんだろう」という薄っぺらな憎悪はなくなるだろう。そういう薄っぺらな憎悪で、自分の精神状態を支配していたら、何もいいことはない。何も生産的なことはない。
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今、自分には彼女にしようと思っている女性がいます。同い年ですが、その子はタバコを吸っています。やはり女性がタバコを吸うのは体に悪いと思います。やめさせたほうがいいのでしょうか。
(東京都 K・T 高校2年生)
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君のような発想をする奴は、そのうちに彼女に振られるね。女が煙草を吸ったら体に悪いんじゃないかと思って、それをやめさせようとする発想というのは、男と女の間では、余計なお節介に過ぎないのだ。
煙草をやめさせること自体は悪くない。もし彼女に言うのなら、「俺のために煙草をやめろ!」。そのひと言だけでいい。これが男と女のつき合い方だ。(中略)男だったらもっとバシッと決めろよ。
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つい最近、私の母は病気でこの世をさりました。私はもう生きているのが限界です。(中略)就職も失敗して、人にいじめられて、こんな世の中生きているのがほんとうにいやになりました。私はこの時代に適していないのかもしれません。(中略)毎日、自殺のことを考えています。
(群馬県 K・A 18歳)
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本をよめ。とにかく読書しましょう。
(中略)俺は小説が世の中の役に立つなんて考えたことはないが、死にたがっている人間を止めるくらいの時間を与えることはできると思う。
K・A君よ、約束してくれないか。本を五十冊読む、と。小説が嫌ならノンフィクションでも科学でも歴史でもいいから、とにかく五十冊読むまでは死ぬな。五十冊読んでみて、それでも死にたいと思ったら、また手紙をくれ。もう一度、話そうじゃないか。
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僕は今、大学の文学部に通っています。そしてそこの少人数の研究室に所属しているのですが、その中での院生との接触に困っています。というのは、院生は、例えばミニスカートをはいている女の人を見かけると「モードの陰にはタナトスがある」などと言います。
(広島県 ペンネーム・尚 大学生)
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俺はいちおう文章を読む、言葉を使うということに関してはプロである。そのプロの俺でも、「モードの陰にはタナトスがある」などという言い草はわからねえよ。
そんなことを言いたがる奴には言わせておけばいいじゃねえか。気にすることはまったくない。
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北方さん、あなたはハードボイルド的な人だと思います。そこで、ひとつ聞きたいのですが、彼女を作るのには、どうすればいいのですか?
(岡山県 K・N 19歳)
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しようがない。ひとつだけ教えてやろう。俺は小説家だから、人に本をやることがよくある。普通だったら、相手の名前を書き「謹呈」とか添え「北方謙三」で終わり。ただし、魅力的だと思った女性には、ひとつ増えるぞ。薔薇に代えて。
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