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30代も20代も萌えてます
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大ベストセラー『生きかた上手』(日野原重明)だが、筆者の周りでは30代の女性たちが結構買ってて驚いた。どこがいいの? とリサーチしてみると
「タイトルにつられた。要領が悪いほうだと思うのでつい買ってしまった」
「日野原先生の福々しいお顔に惹かれた」
「90歳のおじいちゃんになら生き方を教えてほしいと思った」
ということである。「やさしいおじいさんに人生を導かれたい」そういうことなのか。
一方、大ベストセラーとなり、ドラマ化もされた『センセイの鞄』(川上弘美)。「『失楽園』とか読んでた人がまた喜んでるんでしょ」と思ったら、中高年の男性のみならず、37歳の主人公と同年輩の女性にウケているのである。おじいさんへの恋愛感情に戸惑う姿に号泣してしまうというのである。「なんでこんなにオヤジに都合のいい小説がウケるんだ!? 同年代とがんばって恋愛するほうがいいじゃん(実際、主人公は同世代の男性を振って、おじいさんを選ぶ)」とボヤいたところ、
「みんなそんな元気ないですよ。30代後半の独身女性はね、疲れてるんです。やさしいおじいさんに包みこまれたいんですっ、もちろん、現実にそんなステキなおじいさんが存在するわけないってこともわかってるんです、でも、泣くんですっ」
と、36歳独身女性に怒られてしまった。
そんなに疲れてるんだ……幻想としてのおじいさんとの恋愛に癒されてるってことなのでしょうか。
そして、もっと若い層に目を向けると
「大人になるのやだ。30代、40代はすっとばして、いっそかわいいおばあちゃんになりたい」
という声を耳にする。実際、読者の若い『虹』『王国』といった最近のよしもとばなな作品では「ステキなおばあちゃん」に感化され、導かれて行く主人公の若い女性という関係がよく描かれており、これが共感を呼んでいるらしい。作品の中では、40〜50代といった読者の親の世代の大人の影が薄い。
女たちは今、おじいさん、おばあさんに萌えている。本を読みながらそこを掘り下げてみよう。 |
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