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美少女がいっぱい! 若者がハマる「マリみて」ワールドの秘密


暴走少女学園

   
 

こういった作品を読んでいると、いやー、ほんとに、ほわーんといい気持ちになってきます。脳の中が、日当たりのよい庭での素敵なティーパーティーです。懐かしい女学園時代の想い出が(女学園など通ってないのに)よみがえってくるようです。
さて、最後に、女の子がたくさん登場するけど『マリみて』とは雰囲気ベクトルが別方向の作品たちを紹介しましょう。

皆川博子『聖女の島』(『花の旅 夜の旅』収録)は、学園が舞台ではありませんが、女の子が集団で規律に束縛されて生活しています。場所は、廃墟の島。犯罪を犯した少女三十一人が収容されている凶悪女子矯正廃墟島。この島にやってきた修道女と園長の視点から語られる甘美かつトリッキーな幻想ミステリィなのです。

 

戯言シリーズの西尾維新『クビツリハイスクール』は、私立澄百合学園が舞台。"京都郊外にある超の上に超を三つ重ねてやっと均衡が取れる名門進学女子校にして上流階級専門学校―つまりお嬢系"(P15)な学校から、女の子を救出する物語。主人公は男の子なので女装して潜入です。出てくる女の子すべてが、超人的な能力の持ち主の殺戮ギャルで、血まみれの戦いが繰り広げられます。でも勝利のキーは、とてもおセンチな自己陶酔合戦で、不思議なお話になっています。そのアンバランスさは、菊地秀行『魔王伝』meets『マリみて』みたいな。

ラストに紹介するのは、『マリみて』の登場人物たちにはけっして読んで欲しくないピュアなハートは木端微塵の怪奇大傑作です。

乾くるみ『Jの神話』。全寮制の名門女子高校が舞台です。
"あなたたち一年生を、マンツーマンで指導するのが、同室の二年生の役割なのですね。だからこの学院では、同室の一年生と二年生の関係は、よく姉妹の関係に譬えられます"(P27)といった設定や、生徒会長は、麻里亜さまと「さま」づけて呼ばれてたりするので、『マリみて』的な世界だと思って読んでいると、もー大間違い! ミステリィなので殺人が起こるのは当然としても、後半は怒涛のドス黒さ炸裂! バカ真っ黒(褒め言葉です)! ネタばれになるので詳しく書けないのが残念ですが、悪魔と愛の世界が、恐怖ビンビン物語です。

さて、『マリみて』を軸にした少女大量読書ガイドもひとまずおしまいです。大の男が、少女が主人公で女の子の気持ちを描く小説を存分に楽しめるのですから、小説とは不思議で、とても奥の深いものですね。では、ごきげんよう。
(構成・文 米光一成/こどものもうそう

 

美少女がいっぱい! 若者がハマる「マリみて」ワールドの秘密

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