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ぼくが伝えたいのは「この本は素敵だ」ということ
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――沼田さんの本はどれも造本的に凝っていますね。角丸にしたり、見返しや遊びの紙に珍しい紙を使っていたり、挟みこみのオマケがついていたり、見返しからテキストがはじまったりと、「こんなこともできるんだ」という驚きがいっぱいです。
沼田 ぼくはアイデアを出すだけなので、大変なのはそれを実現するデザイナーと編集の方ですよ。でも、それが営業的にうまくいく場合も少なくないから、出版社側も喜んでくれます。しかし、ついやりすぎて怒られちゃうこともありますよ。たとえばどうしても使いたい紙の値段が高い場合、紙屋さんに行って値段をまけてもらえるように直接お願いしたり。失敗ばっかりです。肩書きを「失敗家」にしようかと(笑)。
ぼくの本を見て、ほかの著者の方が、「こんなことができるんなら、自分もやりたい」って言うでしょう。すると出版社の人は、「こんな前例があるから、難しい注文を言う人が出てきて困る」って言うらしい。「なんたる怠け者かッ!」って思いますね。「こういうのができるなら、うちもやろうぜ」って編集者が率先して言わなきゃダメですよね。ぼくが言うとおこがましいけど、でも真似したいところがあればどんどん真似してほしいです。「これができるなら、もっとこうしてみよう」とか、本屋さんが美しいデザインの見本市になるくらい、本たちがキラキラしてることがステキだと思います。この辺のことは取次さんのPR誌(注★7)にも書いて反響がありました。
――沼田さんの本のカバーや帯には、「本を買った後は、カバーや帯は取りはずしてください」という、「注文の多い著者より」のお願いが書かれてますね。
沼田 カバーは汚れないための保護用、帯は書店で読者の目にとまるための宣伝用なので、本を自分のものにした後は、はずしてくださいと。そして、いつも持ち歩いて、コーヒーをこぼしたり、自分の汚し方で汚していくのがいいなあと思うんです。ピカピカ新しい時だけじゃなくて、古くなればなる程美しくなる様な、ねッ。だからこそ、愛着のもてる本をつくりたい。買った後で、ますます愛着が湧いてくるような。本がモノとして価値があるってことを言いたい。本を買わない人は内容だけがよければいいと思っているのでしょうが、ぼくの本は逆で、よく読むとたいしたことは何も書かれていないのに、自分のものとして持っていたいと思う本。つまり、売った後、読者が汚して美しい古本に「養本」して育っていくコラボレーションなんです。ぼくの言いたいことは「本は素敵だ」ということなんですよッ!
――今年出版された『スーベニイル手帖』と『郵便屋さん』は、「贈り物」というテーマでつながっていますね。というか、沼田さんの本はすべて「贈り物」とか「幸せを運ぶ」というイメージでつながっているような気が。
沼田 あらゆる作品は「贈り物」ですよね。本は単なる「商品」ではない!相手の喜ぶ顔を見て、自分が得した気分になる。これは子供の頃は、ないでしょう。でも伯父さんになって、甥っ子や姪っ子に対するまなざしだと気づいたんです。本をつくることはそういうことだと思います。
★7 『新刊ニュース』2003年2月号、「対談 本をつくる愉しみ 沼田元氣VSクラフト・エヴィング商會」
| 『ぼくの伯父さんは、のんきな郵便配達屋さん』のまえがき「郵便礼讃」より |
この物語は、のんきでゆかいな郵便屋さんのお話です。しかしタイトルが「ぼくの伯父さんは――」となっているのは、どうしてでしよう? それはね、皆さんも愛すべき人物には「伯父さん!」と、知らない人でも親しみを込めて呼ぶことがあるでしよう。このお話の主人公フランソワは、フランス郵便局の貴任と誇りを一身に背負っているマジメな郵便局員でありがなら、実は、のんきでゆかいな伯父さんです。
(中略)
例えば、コウノトリが赤ちゃんを運んでくるとか、キューピッドが恋の知らせを運んできたり、虫だって人の死や危険の知らせを運んでくる、と云われています。ですから郵便屋さんも、神様のお使いではないけど、何かしら神聖な運び手としての存在に思えてなりません。今やケータイもメールも発達して、どんな分野もアメリカ式、あるいは便利さにおいては日本式によって、どんどん大きなカと、スピードを要求されているかの様です。それはあたかも、郵便というシステムが、経済の為だけにあるべきと云っているかのようです。しかしぼくは、ある種、郵便が、叢術や哲学、宗教の一分野として、発達してほしいと思うのです。郵便局のサーヴィスだって、経済の為の仕事だというのなら尚更、逆にもっと風情があってもいいと思うのです。そして、大きくて速いもののもう一方で、小さな郵便局と、きっとやってくるだろうものをゆっくりと待つことを、もう−度思い出してみてはいかがでしようか。どうしてかって? それはね、このお話を読んでいたゞければ、おわかりになるでしようねッ。 |
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(取材・文 平林享子/クローバー・ブックス) |
『東京スーベニイル手帖 ぼくの伯父さんのお買物散歩ブック』
(沼田元氣/白夜書房 2003年5月刊 価格: ¥2,400+税)
「お土産」はもらっても、あげてもうれしいもの。和菓子、洋菓子、雑貨、文房具、
ファッション、本、ヌマ伯父さんが自信をもってオススメする東京土産と、東京の散
歩写真集。まるで「散歩」という写真の一分野があるかのよう。見逃していたけれど、
東京ってこんなにかわいいモノがあったのね、とヌマ伯父さんが気づかせてくれます。
東京へ修学旅行でやってくる学生さん必携&東京在住の東京人のお散歩ガイドにも最
適。
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『横浜おでかけガイドブック』(沼田元氣/青山出版社 2002
年9月 価格: ¥1,980+税)
これはガイドブックという仮面をかぶった「おでかけ写真集」。そしてヌマ伯父さん
が語って聞かせてくれる「横浜物語」。「おでかけ」「お散歩」「お土産」「お嬢さ
ん」……ヌマ伯父さんの好きなものがたっぷりつまった横浜の写真絵本。横浜観光の
おともに。
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minaとのコラボレーションによる本とグッズの特別ボックス。缶の中には『東京喫茶店案内』『喫茶店百科大図鑑』の合本(mina&numaの布張り装丁本)、numaデザインのデミタスカップ、minaデザイン日替わりハンカチ(7枚セット)と日替わりコースター(7枚セット)、フォト俳句集の豆本、そしてmina&numaのオリジナル・マトリョーシカ(5個セット)も。残り50個、早いもの勝ち!
15800円+税
問合せ/ギャップ出版 03-5468-9360 |
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