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ドキドキする台詞を聞くと血圧が上がるんだよね
米光 セックスもバイオレンスもドラッグも死体も十分わかったから、ゲーム化しましょうか!
飯田 ゲームキューブで「お遍路さん」っていうゲーム出てるでしょ。
米光 ああー、高年齢者向けの。
飯田 万歩計つけて、バーチャルなお遍路風景を見ながら何歩歩いたかってゲーム。あれだね、とっかりとしては。ひとりでやるのが面白いんですよね。
米光 でも40人くらいネットッワークでつないでだべりながらえんえんと歩くってのもいいかなと思ったけどskypeとか使って。ひとりでやるとちょっと虚しくない? あ、でも虚しいのがいいとか言うんだよね、飯田さんは。
飯田 そう(笑)。
米光 どっちにしても、ランナーズ・ハイが味わえるくらい歩かせるゲームがいいね。昔、「ハイパーオリンピック」*っていうゲームがあって、それのMSX版だったと思うんだけど、メニューに1500メートル走も入ってた。100メートル走だったらボタン連打して10秒とかなんだけど、1500メートル走だとすごい長い時間連打しつづける。腕が痛くて痛くて。でも友だちとやると連打ハイになってバカバカしくて面白かったよ。中学生だったからなんでも面白かったのかな(笑)。今の子どもはそんなんじゃ相手にしてくれないから、えんえんと歩かせるのに加えて、登場人物とのかけひき、心理戦も取り入れる。そのへんは再現したいよね。
飯田 ランナーズ・ハイの果てに崩れた目玉焼きのような朝日を見て感動するような、疲れきっている時に、いちばんわかり合いたかった人とのあいだに何かが生まれるような、すごい覚醒感*のあるラストが欲しいですよね。そういう感動要素を3つくらいどんどんどんっと入れてほしい。そこが「ハイパーオリンピック」との違い。
麻野 飯田さんが来る前に『夜のピクニック』の映画化したらって話をちょっとしたんだけど、本当は、オレ、映像よりラジオドラマが似合うような気がするんだよね。まだイメージわかないっていうか中途半端なんだけど、台詞と、シーンごとの音で聞かせる。例えば田んぼの脇を歩いていると、稲穂の揺れる音が始終聞こえているとか、車の音がいきなりと聞こえるとか、耳から入る情報だけでこのストーリーを表現すると、非常にいいものができるんじゃないかと思って。
飯田 なるほど。
麻野 というのは、ひとりで歩いてる時ってだんだん疲れてきて、会話はしてるんだけど、人の顔は見てなかったりする。一緒にてくてく歩きながら、結局じぶんだけの世界の中にいる。この快感を表現するのがたぶんいちばんいい、ゲームにするんだったらどうしたらのがいいのかってずっと考えてるんだけど。
米光 万歩計と連動させればいいのかな。歩数がデータになって、そのたまり方によって物語が展開する。休んでると展開しない。
麻野 歩いてると、「そういえばさー、あの子とあの子つきあってるらしいよ」「えーっ!?」とかなる。で、しばらく歩いてるとちょっと展開する、噂の本人に出会ったり、ジャマが入ったりする。それを耳からの情報だけでやりたいなと。
米光 いっしょに休憩をとるとじっくり話せるとかね。ストーリーの核となるところは、万歩計と連動させてラジオドラマを分岐させる。ん?(飯田、ブルゾンのポケットをさぐっている)
麻野 何が出てくる? 落雁?
飯田 これですよ!
米光 iPod
shuffleだ。
飯田 これけっこういい*んですよ。Apple製品にしては安くて、USBメモリなんかとほとんどいっしょの値段なんだけど、その低価格は液晶とかをなくして実現、で、シャッフルとはよく言ったもので、これこそAppleのうまいところ。
米光 そうそう、曲を聴く順番を選べないのをシャッフルって言っちゃったのはえらいよね、メリットにしちゃった。こっちもそのつもりで、シャッフルして聴きたいデータを入れるからほんとにメリットになる、聴き方が変わっちゃうくらい。
飯田 変わった。あと、回ってるものがないから振っても飛ばない。
麻野 ああ、ハードディスクじゃないからね
飯田 そうそう。何してもいい。振っても変わらない感じとかすごい不思議で。これは新しいインターフェイスのとっかかりになるなと思った。
米光 ボイスドラマゲーム『夜のピクニック』はこれに万歩計つければいい。
飯田 カスタマイズしましょう。iPod の熱狂的なユーザーには本体をヘッドフォンの中に仕込んだり、腕に付けたり自作する人がいる。音声データをiPod
shuffleに入れて、万歩計をカシャッとつなげて、ついでに血圧もはかりましょうか(笑)。
米光 ドキドキする台詞を聞くと血圧が上がちゃうからね。
麻野 人間関係もみんなシャッフルしよう。つきあってるカップリングが毎回変わる、「不思議のダンジョン」シリーズの音声版みたいな感じで。キャラ設定だけはちゃんと決めとく。Aくんは優等生とかは決まってるんだけど、あいつとあいつがまさか今回つきあうとは思わなかった! と展開するゲーム。
米光 ええっ、融と忍が! とか。 |
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| 第十一回 『夜のピクニック』をゲーム化する! |
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