第七回 『電車男』をゲーム化する!
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「MOTHER」のラストっぽい感動を

『電車男』
ゲーム化指数
アクション度
1ポイント 1ポイント 0ポイント 0ポイント 0ポイント
RPG度
1ポイント 1ポイント 1ポイント 1ポイント 0ポイント
アドベンチャー度
1ポイント 1ポイント 1ポイント 1ポイント 0ポイント
シミュレーション度
1ポイント 1ポイント 1ポイント 1ポイント 0ポイント
パズル度
1ポイント 1ポイント 0ポイント 0ポイント 0ポイント
というわけで、今からゲームがはじまってますから。
麻野 でも、『電車男』のほんとのテーマって友情と勇気でしょう。恋愛でも「オタクエクソダス」でもない。そこをゲ−ム化したいよなあ。勇気をもって電話する、というのと、みんなが応援したり、やった!って喜ぶ、そのふたつが表現できるといいよね。
米光 そう、「MOTHER」のラストっぽい感動をここに入れたい。
麻野 プレイヤーにすごく勇気がいるような行動をしいることってできないのかな、画面上で。
米光 画面上で! うーん……。
飯田 暴れる酔っぱらいに対して一歩を踏み出す勇気、オレ、電車に乗る時間長いんだけど、深夜とかすごく緊張感あるんですよ。めちゃくちゃなヤツとかいるし。
麻野 それを表現できればたぶん大成功。
米光 できればね。
飯田 ああ、現実に勝つのは難しい! バーチャルだろうがリアルだろうが、やってしまえば同じっていうか、本来、電車の中で何をしたっていいわけじゃないですか。
麻野 まあ、法律にふれない程度にね。
飯田 いや、それとは関係ない次元で、生き物としてですよ。だけど法律とかなんらかの秩序を植え付けられていて大人しくしているわけだけど、ほんとはなにやってもいい、叫び出したっていいし、いきなり自殺したっていい、完全に自由。そういう未知の可能性とテレビゲームを比較したときに、やっぱり負けちゃうなっていう。その脱力感、無力感はあるんですよね。
麻野 ゲームだと設定された自由しかないからね。そうなると、ディズニーランドのような体験型アミューズメント施設をつくるという発想になっていく。
BGK
米光 場所と時間を限定しないほうがいいよ。ええと、プレイヤーは「電車男ゲームサービス」をお金だして買う。そうすると、日常の中で、いつか、酔っぱらいがやってくるの。もちろん役者なんだけど。かわいい女の子も居て。でもいつ始まるかは知らされてないから「これは、ゲームなのか? 現実なのか?」っていう。
麻野 映画の「ゲーム」に近いな。まさにそういう話なんだよ。ゲームに参加する権利を買う。でもそれは面白いかもね。
飯田 すごいよね、あ、これが始まりかもしれないと思うと。
米光 まあ、役者だと思ってたら、ほんとにタチの悪い酔っぱらいで、刺されちゃったりしたらシャレにならないけど。
麻野 状況は電車男をなぞらなくてもいいよね、勇気を試すだけじゃなくて。100万円おちててそれをちゃんと届けたらありがとうございましたってエルメスが現れて〜、みたいな設定かもしれないし。
米光 善人を心掛けなきゃいけないんだ。
飯田 四六時中2ちゃんねらーに監視されてるような意識。ノイローゼになってしまうかもしれない(笑)。
麻野 ゲームが始まってるとは思わず、おばあちゃんに席を本気でゆずって、ありがとうって言われていい気持ちになったところで「ゲームでしたー」って言われたらがっかりするよね。
米光 本気で好きになった女の子とキスする寸前に……。
麻野 逆にしようか。ヤクザに因縁つけられて、事務所に連れ込まれて、指切らなきゃいけない瞬間に、「はいゲームでした」と。
米光 そのほうがいいかもね。「ドラえもん」でいうところのがっかりするウソはダメってことね。すごいホラーな状況に陥ってたのを、はい終わり、よかったねっていう。
麻野 実はマジだったらやっぱりこわいけどね。いつ終わるのかなあと思ってたら……。
米光 ほんとだったんだー! うわー、マジでパラシュート開かねえええええ!?
飯田 でも人生ってそういうものですよ(深くうなづいて)。
麻野 あとはみんなが応援してくれるのをどう融合させるか。
米光 なにかあったら2ちゃんに書き込んでくださいって言えばいいんじゃない?
麻野 これから一週間のあいだに、なんらかのかたちであなたにドラマ
が訪れます。その経過は2ちゃん書き込んでくれ。それを伸ばすかどうかはあなたの技量次第だが、電車男に匹敵するくらいのドラマは用意しましょうと。
飯田 それがいいスレッドになって本になったらあなたに印税が!(笑)
麻野 オレらはそれの一部をちょっといただいて。
BGK
飯田 結局本をつくるのが目的なのか。ゲームをつくって作家になろうっていう。
米光 まわりくどい!
麻野 あとはどんなネタを用意するか。ヤクザにからまれる、遺産相続、もうちょっとなんかないかな。
飯田 だけど、そんなことしてあげなくったって、トラブルは実際にあるし、電車男みたいにがんばればいいことがあるかもしれないのが現実の人生なんだから、宣言文をひとつだせばそれで終りだったりするのかもしれないよ。「さあ、ゲームの始まりです」っていう。
米光 リアルな人生のなかで、なにかに遭遇したときに、その宣言文のおかげで、あ、ゲームが始まったなと思って勇気が出せるんだね。
飯田 宣言文の書かれた紙を送ればそれでいいのかもしれない。10万円出してもらうんだけど。
米光 何も準備しなくていいんだ、われわれは。
飯田 そう。
麻野 勝手に思い込んでもらって。詐欺だね(笑)。あと、ずっと家からでないような人じゃあ何も始まんないけどね。そういう人にはちょっと仕掛けてみるか。電話かけて「調子どう?」とか。
米光 じぶんのほうから仕掛けないと何も始まんないんだって気付いてもらう。ゲームだと認識した瞬間から、それはもう始まっているんだ。
飯田 おまいらのストーリーは、もう始まっている。

(構成・文 アライユキコ/カエルブンゲイ

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