死ぬのがわかってるのはつらいけど
米光 三島由紀夫育成ゲーム、いいと思うな。シナプスが多過ぎて、何考えてるのかわからない三島くんに付き合って、なんとなくわかりかけたときに、切腹して死なれてしまう。これは泣けるゲームになるよ、やっとおまえがわかったのに! オレだけはわかったのに!
飯田 妄想しがちなナイーブな少年性を保ち続けている三島くんに日々付き合う。
米光 その言葉を毎日浴びるように聞くわけですよ。育成しながら。そうするとだんだんわかってくる。これは友情ですよ。
麻野 友情のゲームかあ!
米光 世界でただふたりだけがわかりあっているという真の友情。ふたり以外はみんな敵。
麻野 でも、そうなってくると同性愛者にならざるをえないかも。肉体的な関係をもたなくちゃ。
米光 ええー? でも、肉体的な関係をもとうとすると「そうじゃないんだ!」とか拒絶されそうじゃん。
飯田 金閣寺が現れちゃうからね(笑)。
麻野 三島ってどんな生活してたんかな。けっこう美食家でしょ? いいもん食ったり、凄く高いワイン飲んだり。イメージ的には福田和也みたいな生活。でも11時にはぴたっと帰って、ばんばん原稿書いてたってね。
飯田 ロボコップ*みたいだよね。
米光 ああ、ロボコップになりたいひとなんだ。
飯田 見せたかったね、三島に「ロボコップ」を! 生きてたらいくつ? 昭和元年生まれだから……79歳かあ、大御所だな。生きててほしかったなあ、小林よしのりと対談してほしかった。
麻野 (年譜を見ながら)13歳で処女短編書いてる。『座禅物語』だって、どんな話や? 読みたいなあ。三島の人生に沿ってゲームつくりたいよね? スペックのことを言うと、まあ40歳くらいまで生きるとして、一週間どのくらい?
米光 1週間が1年。
麻野 とすると、10か月で40年。
米光 短い? でもまあそのくらいかな、1年くらいつきあったところで、
麻野 死んじゃう。
米光 自決事件が11月25日だからそこに合わせて。年末に死んじゃって、年明けは泣けるんだよ。
飯田 それ、たまごっちだよ(笑)。
麻野 三島っち!
米光 三島っち、遊びたい! 仕事しててもぴーぴーぴーぴー言うのを1年間世話して。わけわかんない難しいこと言うのを聞いてあげて。ディズニーランドにも連れて行かなくちゃ。
飯田 ちゃんとICセンサーが付いてて、ほんとにディズニーランドでピッってやってこなくちゃいけない。そうしないと三島っち怒っちゃうもん。ワイン呑みたいとか言い出すから、ワイン買ってきて、バーコードをピッて。
麻野 金かかるんだよ。
米光 金閣寺燃やしてこいって言われたら、行ってきて、ピッ。いや、燃やしゃしないけど、燃やしたことになる。
飯田 いろんなスポンサーと提携して、三島っち本体はタダで配ろう。
麻野 やっぱり本体は、金閣寺のかたちしてるんですよね。
飯田 いいね。
麻野 毎日顔が変わる。赤ちゃんの時からの写真を取り込む。13歳になると『座禅物語』を書く。
飯田 「読んでくれる?」
麻野 「面白いよ、君は作家になるよ」とか言ってやる。ほんとは、なんかよくわかんないんだけど。三島っちを遊べば、三島由紀夫の気持ちがちょっとわかるよね、死ぬのがわかってるのを育てるのはつらいけど。裏技で死なないバージョンもつくろうか。74歳の三島が小林よしのりと対談したりね。しっかし多作だよなあ。これを書くたびに毎回読まされるのはイヤだなあ、1年が一週間だとどんなことになるんだ(笑)。
米光 しかも、いちいち感想を求められてね。本買ってきて、バーコードピッじゃだめかな。
飯田 三島っちをプレイすれば、どんな研究書を読むよりも、三島の人生をきちんと追体験できますよ!
米光 後半はボディビルゲームになる。でも、最後は介錯してやらないと*いけないんだよねえ……うわあ泣ける!
飯田 ゲーム化は無理っていってたけど意外な方向にいきましたね。あんな死にかたをしたせいでみんな口が重くなっているけど、もっと気軽に、われわれとおなじ人間として、三島くんと触れあいたい! オレも何だかイメージに邪魔されて読んでこなかったけど、読んだらこんなに面白いんだもん。
米光 もっと気楽に三島を!
麻野 三島由紀夫を民衆の手に取り戻せ!……え? 民衆って誰や?(笑)
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■『座禅物語』(『決定版三島由紀夫全集15』新潮社所収)
13歳で書いたという処女作(1938年、輔仁会雑誌に発表)。「ずーっと座禅してる話なんやろうか。内容がさっぱりわからんので、ぜひ読んでみたい。後はもう、オレはいいわ。あ、『豊饒の海』はちょっと気になるかな。あ、短編だったら読んでもいい」(麻野) |
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■『豊饒の海』(新潮文庫)
『春の雪』『 奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の4部からなる輪廻転生の超大作。「好きになったからには『豊饒の海』を読まないとダメでしょう。絶筆ですしね。『天人五衰』の最終原稿を渡してから死地に赴いたんですよね」(飯田) |
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■『美しい星』(新潮文庫)
1982年発表のSF風作品。「なんか家族がそれぞれ別の惑星から来た異星人だと気付いて、喧々囂々議論するというとんでもない小説だと聞いたので読んでみたい。UFOも出てくるとか」(米光)
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『金閣寺』
ゲーム化指数 |
アクション度
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RPG度
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アドベンチャー度
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シミュレーション度
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パズル度
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| わがままっぷりにどう感情移入させるかがポイントでしょうか。 |
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