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words by 矢部智子 バックナンバー
街中にある本棚を探すさすらいの連載第六回。前回に引き続き、京都のステキな絵本カフェにいます。さて、どんな本に出会えるのかな?

第6回 絵本のワンダーランドにトリップ! 京都 ミハス・ピトゥー(後編)

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京都・祇園近くにある雑貨店+カフェ「ミハス・ピトゥー」。オーナーの原田裕一さんが、「好きなものだけを集めて」作ったこの店には、2階に200冊もの絵本が置かれた、隠れ家のようなカフェがある。棚から1冊取り出して、本のページを開いたとたん、違う次元に迷いこんだかのように時が経つのを忘れてしまうこのカフェ。「ミハス・ピトゥー」に置いてある絵本と、さらに原田さんおすすめの本も教えていただいた。

○絵本(その1)
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カフェのある2階でいちばん目を引くのが、入って右手の奥にある、3段のラックに置かれた絵本。一番上に『ピーター・ラビットの絵本』が5冊、まん中にマレーク・ベロニカのシリーズで『おやすみなさい、アンニパンニ!』など3冊、下にページを開いた『不思議の国のアリス』のしかけ絵本が飾られている。さりげなく置かれているけれど、人を選ばず、時を越えて愛されるこれらの絵本は、「ミハス・ピトゥー」にとって象徴的な絵本なのでは。なかでも、『不思議の国のアリス』のしかけ絵本がこんなにハマる場所は、なかなかないはず。
○絵本(その2)
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たとえば、ある棚の並びを一冊ずつそのままお伝えすると、こんな感じ。『ジャックと豆の木』『きりぎりすくん』『どうするティリー?』『あかいふうせん』『ぼくのせかいをひとまわり』『アンジュール』『いばらひめ』『おどる12人のおひめさま』『ぐりとぐら』『ぐりとぐらとくるりくら』『チリとチリリ』……。ずーっと背を追いかけていたくなる、ワクワクするような品揃え。ちなみに本棚は、お客さんの出し入れもあるのではっきりとした仕分けはないそうだけど、あえて分けるとすれば、最初の基準は「絵のタッチ」なのだそう。
○原田さんおすすめの3冊
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原田さんが、「イラストも好きだし、話もほほえましくて大好き」というのがカール・ノラックの絵本。『ねえ、わたしのことすき?』は、ちいさなハムスター・ロラを軸にした、ハムスターの家族の物語。「ロラが、お母さんハムスターを見つめるときのなんともいえない表情とかが、たまらないんですよ。子どもらしい……というかハムスターなんですけど(笑)、やさしい気持ちがそのまま伝わってくる。この人の絵本は、ほんとにぜんぶ好きですね」。また、「ミハス・ピトゥー」では絵本だけでなくて、文芸書などの読み物も置いている。『人生、だから面白い』は、原田さんが高校生の頃に出会った本。「ほんとうは、こういう自己啓発本みたいなのは好きじゃないんですが、この本は、すごく素直に言葉が入ってきたんです。『自分ってなんだろう?』みたいなことを考えていた時期に、この本を読んで前向きになれました」。山田詠美『ぼくは勉強ができない』は、20才の頃に読んだ本。「主人公の17才の少年が、クールな視点から世の中を見ている感覚が好きで。僕も、社会や組織になじめないからこういうことをしている、というのもある。だからそういうことに向かっていく主人公が好きなんです」

「夜になると、お店からもれるオレンジ色の光が、すごくきれいなんですよ」と、原田さん。祇園という観光地の片隅に、小さく灯ったオレンジ色の光。そこから迷いこむ、ノスタルジックな絵本のワンダーランド。「ミハス・ピトゥー」は、絵本専門店でもおしゃれなカフェでも味わえない、そんな小さなトリップが体験できる店なのだ。
(文・矢部智子)

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